「本当に伝えたいこと」と、「よくある質問・誤解」の間
ハリストス復活!実に復活!
ニコライ堂で「よくある質問に答えます」というプリントを作って、拝観者・来訪者に無料で配って居ます。今の所2種類です。
- 八端十字架の説明
- 「ニコライ堂はロシア正教なんですか?」(答え:ニコライ堂は正教会の教会です。ロシア正教会ではありません。詳細はまた改めて)
これらは教会が伝えたい一番大事な事ではありません。伝えたいことは沢山ありますが、復活の福音(コリンフ前 15:11 - 17)が核として外せません。
ただ、教会に拝観にいらっしゃる方々から発せられる質問で最も多いのが、現実としてこの二つなのです。特に後者については、「ニコライ堂はロシア正教なんですよね?」と、「確認」の意味で訊ねて来られる拝観者もいらっしゃいますし、「ニコライ堂はロシア正教です。」と周りの方に(間違って)「説明」されている拝観者もいらっしゃいます。この誤解は大変根深いもので、1年2年で是正される事は無いだろうと腹を括って居ますが、研究者やマスメディア関係者の方から質問が来た時には、訂正を毎回お願いしています。
上記二つの質問それぞれの答えについては、回を改めてブログでも取り扱います。
ただ最近考えて居るのは、「本当に伝えたいこと」と「よくある質問に答えること」「よくある誤解を解く」の間には、大きな違いがある、ということです。
よくある質問に答え、誤解を解くばかりですと、本当に伝えたいことを見失う危険があります。しかし誤解は解いておかないと、本当に伝えたいことが入口から聞いてもらえない危険もあります。
例えば「ニコライ堂で教えられていることはロシア正教というロシアに独特な変わったキリスト教」「皇帝教皇主義によって権力と癒着している正教会」という誤った認識のままの人に、「復活の福音」を説いて、すんなりその人の耳に入って行くかというと、それは大変難しいというのが現実でしょう。
「本当に伝えたいこと」については、既に日本正教会の公式サイトに良い入門書が用意されていますし(PDF)、講談社学術文庫『ギリシャ正教』もお奨め出来る本ですので主にそちらをお奨めします。
本ブログでは、「よくある疑問」「よくある誤解」にまつわるテーマを主に取り扱っていこうと思っております。