« 2014年3月 | トップページ | 2014年12月 »

2014年6月

2014年6月16日 (月)

正教会についての参考書案内(一般入手可能なもの)

それほど読書量が多いわけではありませんが、私が読んで来た範囲の中で、一般で入手可能な、お勧めできる正教会に関する参考書を挙げて参ります。今後、少しずつ更新していきます。

拙著(入門の入門)

クリメント北原史門「正教会の祭と暦」ユーラシア文庫、群像社 … ブログ主による著作です。正教会では100冊の神学書を読むよりも、100回祭に参祷する事が、正教会の信仰生活理解には近道。コンパクトにまとめた内容になっています。

絶版になっていない総合入門書(中級のはじめ)

正教会の手引き(ウェブ上PDF) … 日本正教会による、豊富な内容の総合入門書です。各地の正教会でお求め頂けるほか、リンク先、PDFで無料でも読めます。
高橋保行「ギリシャ正教」講談社学術文庫 … 幾らかデータが古くなっている所もありますが、お勧めできる一冊です。
オリヴィエ・クレマン「東方正教会」白水社文庫クセジュ … 一定程度の前提知識が要求されますが、神学の入門としてお勧めできます。

絶版になってしまっている総合入門書

○ 川又一英「イコンの道」山川出版社 … 残念ながら絶版になってしまっていますが、カラー写真が綺麗な読み易い本です。

紀行文
村上春樹「雨天炎天」新潮文庫
… なぜ非正教徒の作家の本を神父が勧めるのか?と驚かれる方もいらっしゃるかと思いますが、「非信者ではあるが、正教をけなさず、不自然に賞賛もせず、知ったかぶりもせず、淡々とアトス山の修道院の姿と、そこでの自分の体験を書いている」この本は、「正教は理屈ではなく生活である」ことを示すものとして、かなりお勧めできるものです。
唯一差し引くところとしては、(当たり前ではありますが)正教の信者は皆、ここに書かれた修道士と全く同じように生活しているわけではない、という所でしょうか。途中で修道院の補修工事に来ている大工の若者達の姿が描かれていますが、彼らも正教信者です(明言はされていませんがアトス山で作業するギリシャ人であり、おそらくそうでしょう)。
この本がすごいのは、普段点の辛い私から見ても「誤りらしい誤り」が全く無いという事ですね。村上氏は非常に慎重に、「知らない事をテキトーに書かない」ように徹していらっしゃるようです。

文学
○ ドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟」 … もちろん文学作品ですから、100%正教会の教えそのもの、とは言えません。しかし巷間に言われるよりは、正教の生活が色濃く反映されています。「ドストエフスキーのキリスト教理解は独特のものである」と言われる要素(たとえば「神の像と肖」など)の多くは、正教においてはむしろ標準的なものです。

« 2014年3月 | トップページ | 2014年12月 »